農林業問題研究
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個別報告論文
人工光型植物工場産の野菜に対する不安度に影響を及ぼす要因
―福島県内JA直売所を事例として―
矢野 佑樹中村 哲也丸山 敦史
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2016 年 52 巻 4 号 p. 235-240

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抄録

2011年の福島原発事故に起因する土壌汚染や風評被害が深刻な地域では,外部環境の影響を受けずに野菜を周年栽培できる人工光型植物工場に注目が集まっている.しかし,工場野菜に対する消費者意識や評価に関する研究はほとんどない.本研究では,福島県内JA直売所の利用者に対してアンケート調査を実施し,工場野菜に関する知識の程度および不安度を測定するとともに,不安度に影響を与える要因を分析した.その結果,管理された環境で安定生産が可能なことはよく理解されている一方,土を使わない栽培法や製品の安全性に関する知識は乏しいことがわかった.また,工場野菜に対する不安度は全体的に低いものの,栄養や味に関して不安に思う人が相対的に多く,工場野菜の質に関する知識が乏しい人ほど不安度が高い傾向が見られた.被災地の農業再生のためには,セミナーや教育,試食等を通じて,消費者の次世代施設園芸に関する理解を深めていく必要がある.

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© 2016 地域農林経済学会
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