2007 年 5 巻 1 号 p. 18-32
地域住民の遺伝に対する意識を明らかにするため、A県B氏在住の20歳以上65歳以下の地域住民500人を無作為抽出し、留め置き法による自記式質問紙調査を実施した。
回収率は53.7%であった。遺伝に対して、50%近くの人が関心を持っており、遺伝知識の程度による遺伝に対するイメージに有意な差はみられなかった。病気と遺伝病のイメージでは、遺伝病の方が否定的なイメージをもつ傾向が示され、関連する項目は、「年齢の若い人」「遺伝への関心の低い人」「先天異常や遺伝病のおこる頻度を少ないと考えている人」「自分の代で家を途絶えさせてはいけないと考える人」があげられた。
近年、遺伝医学の発展に伴い、新しい情報がテレビや新聞を通して報道されることが多く、そのため遺伝の関心・知識ともに増えてきていると考えられる。しかし、このような関心・知識が遺伝のイメージへ与える影響は少なく、いまだ遺伝病は稀で、自分には無縁の病気という意識が根強く残っていることがうかがえる。以上から看護者として、今後遺伝に関わる病気や障害をもつ患者及び家族に関わる上では、遺伝という言葉の持つ重みを十分に理解し、不安の軽減に努めていく必要があるといえる。