農林業問題研究
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個別報告論文
インドネシア稲作における規模の経済
―PATANASデータを用いた計量分析―
エルノイス アントリアンダルティ福井 清一
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2016 年 52 巻 4 号 p. 259-264

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抄録

インドネシアの稲作は中部ジャワや東部ジャワなどの主要生産地帯において,その零細性がゆえに国際競争力を失っている.競争力を回復するには,少なくとも,規模拡大のための政策が不可欠である.本論文は,稲作部門において規模の経済性が働きうるのか否かを,インドネシア農業省が作成したPATANASデータを用いて検証することを目的とする.そのことと頑強性を確保することを目的として,2つの異なる方法(生産の費用弾力性の測定,および,農家の利潤極大化行動により導出された利潤関数による測定)でこの仮説を検定する.分析の結果,規模の経済は,ほぼ全部の州において働くことが確認された.この結果は,平均経営規模が,零細で,ほとんどの稲作農家が農業機械を賃借している地域ですら達成されることを意味する.この結果は,また,ジャワ島ですら,経営規模の拡大の必要条件が満たされていることを示している.

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© 2016 地域農林経済学会
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