抄録
県内酒蔵から醸造に適した「蔵付き」微生物を分離選抜し、酒蔵の個性・特徴を具現化した商品群を開発した。選抜した原株は分離元の酒蔵でのみ使用する専用菌株とし商品の明確な差別化を図った。これにより、各酒蔵の個性と物語性を持つ多様な商品群「「秋田蔵付分離酵母」純米酒シリーズ」の開発、商品展開が短期間に全県的に実現した。平成22年度に先行調査として県酒造組合と共同研究を行い、効率的な分離方法を確立、スムーズな分離選抜を実施した。多くの酒蔵では神棚や古い歴史のある場所から蔵付き酵母が選抜でき、平成25年度までには25社でその「蔵付分離酵母」を使用した現場仕込を実施した。秋田県秋田うまいもの販売課などと連携し、平成24年度は4番、25年度は13番、26年度は25番までの「秋田蔵付分離酵母」純米酒シリーズの商品化を規模を拡大しながら実施した。国民文化祭やJR観光キャンペーンのイベントにも取り上げられ、県内蔵元の知名度向上や清酒の販売促進に貢献した。