抄録
逆遠近感を利用した錯視立体図形は,観察者が見る位置を変えることによって,物体が静止しているにもかかわらず,変形しているかのように見える立体である.本研究では,三次元ポリゴンモデルを入力として,逆遠近錯視立体をモデリングする手法を提案する.ユーザが適当な視点の位置を決めると,システムはその視点から可視である面について,奥行きが反転するようにモデルを適切に変形させ,逆遠近錯視のモデルを生成する.また,ユーザがモデルの一部分を指定することで,指定した部分だけを逆遠近錯視立体へ変形させることも可能とする.さらに本研究では,得られたモデルをペーパークラフトとして実世界に出力し,実際に錯視が起きることを確認した.