2016 年 15 巻 2 号 p. 75-85
3DCGのトゥーンレンダリング等において輪郭線を生成する手法は画像処理を用いる手法とモデルの3次元形状を用いる手法に分類される.画像処理を用いる手法では輪郭線の検出処理に用いるG-Bufferを選択することにより制作者の意図を反映した高精度な検出が可能であるが,線の太さは均一であり手描きではない機械的な印象となる.モデルの3次元形状を用い た手法では線の太さは調整可能であるものの,線の検出は各描画アルゴリズムに依存し,制作者の意図した線を検出できな い.本論文では輪郭線の検出と描画の工程を分離し,検出には画像処理の手法を描画にはモデルの3次元形状の手法を用いることによって高精度で輪郭線を検出しつつ線の太さの変化による誇張表現を行った.さらに,提案法を既存のグラフィックスAPI上でリアルタイムに実行するためのパイプラインを構築・実装し,リアルタイムに実行できることを確認し,より高速化する手法についても検討を行った.