2019 年 31 巻 p. 40-47
【目的】 成人脊柱変形(ASD)患者の,身体機能・脊柱アライメントとSRS-22下位項目との関係を調査すること。
【対象】 腰痛を有する女性ASD患者15名。
【対象】 身体機能項目として,体幹・股関節伸展筋力値,胸椎・腰椎・股関節伸展ROM,至適歩行速度を測定した。脊柱アライメント項目として,静的脊柱アライメント,動的脊柱アライメントを測定した。QOL評価はSRS-22の下位項目を使用し,SRS-22下位項目と身体機能・脊柱アライメント項目の関係を調査した。
【結果】 疼痛QOLと体幹伸展筋力,至適歩行速度に有意な相関を認めた。自己イメージQOLと胸椎伸展ROMに有意な相関を認めた。
【結語】 症状が多岐に渡るASD患者に対し,疼痛QOLが低い場合は体幹伸展筋力と至適歩行速度,自己イメージQOLが低い場合は胸椎伸展ROMが介入ポイントの一つとなる可能性がある。