抄録
日本産のウズグモ属のクモとして8種が一応認められている。最近, USAの OPELL (1979) はウズグモ科の再検討をおこなった。筆者は OPELL の属の扱いを妥当と認め, Uloborus ウズグモ属とされていた8種に対して検討を加えた。特に触肢の構造から明らかな区別が確認できる。geniculatus (OLIVIER) ミナミウズグモはすでに LEHTINEN (1967) により Zosis ミナミウズグモ属 (新称) に転属されているが, さらに6種は別の属に転属すべきである。5種, sinensis SIMON トウキョウウズグモ, varians BÖSENBERG et STRAND ウズグモ, incognitus DÖNITZ et STRAND マエカケウズグモ, yesoensis (SAITO) エゾウズグモ, sybotides BÖSENBERG et STRAND カタハリウズグモは Octonoba トウキョウウズグモ属 (新称) に, 1種, prominens BÖSENBERG et STRAND マツガエウズグモは Philoponella ヒメウズグモ属 (新称) にそれぞれ転属した。Uloborus tokyoensis KISHIDA は Octonoba sinensis (SIMON) のシノニムとした。