2022 年 2 巻 1 号 論文ID: SC-2022-5
吃音児・者の発話流暢性を高める方法の一つとして,リズム効果法が挙げられる.本研究は四拍子で読まれることが知られている短歌を題材とし,リズミカルな音読が吃音症状に与える影響について検討することを目的とした.対象は3 名の吃音児である.なお,そのうち1 名は自閉スペクトラム症(ASD)と診断されている.リズミカルな音読とリズムを伴わない音読を交互に実施した.それぞれの読み方における吃音中核症状頻度を対象児ごとに比較した結果,2 名はリズミカルな音読で有意に吃音頻度が低かった.1 名はリズミカルな音読で吃音頻度が高い傾向がみられた.その要因について,ASD 児特有のリズム知覚を有しているという観点から考察した.