音声コミュニケーション研究会資料
Online ISSN : 2758-2744
2 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
2022年1月音声コミュニケーション研究会資料
  • 河原 英紀, 榊原 健一, 水町 光徳, 北村 達也
    2022 年 2 巻 1 号 論文ID: SC-2022-1
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    音声研究のための利用価値の高い音声素材の収録のためには、収録の物理的条件を記録する必要がある。 録音系の音圧較正は、そのための出発点となる重要なステップである。ここでは、広く普及しているスマートデバイスを用いた較正の可能性についての検討状況について報告する。日常の環境において適切な較正を行うためには、機器そのものとあわせて、実施可能な手順と、それらに伴う誤差を把握しておく必要がある。ここでは、デジタルデバイスと離散時間系の信号処理の特徴を活かした、幾つかの方法について紹介する。

  • 村井 翔太, 小林 耕太, 力丸 裕
    2022 年 2 巻 1 号 論文ID: SC-2022-2
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    音声の振幅包絡情報を残し,周波数情報を大幅に削減した劣化雑音音声(noise-vocoded speech sounds, NVSS)は,訓練によって了解度の高い音声として聞き取ることができるようになる.このような音声の知覚学習を支える皮質可塑性について,文章や単語に比べて手がかりの少ない単音節音声を用いた聞き取り訓練過程のfunctional magnetic resonance imaging (fMRI)による脳機能計測から検討を行った.訓練の結果,単音節音声の聞き取り能力が上昇し,その中でも訓練対象の子音に関して向上することが示された,また,訓練前後でNVSS 知覚時の右中前頭回における脳活動パターンが,訓練対象の子音に特異的な調音位置に関する神経表象を示すように変化した. NVSS の音響情報の劣化を補うための音声知覚処理の形成に調音処理が関与することが示唆された.

  • 藤田 亮子
    2022 年 2 巻 1 号 論文ID: SC-2022-3
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    本研究では, バブルノイズと現実に近いノイズの2種類のバックグラウンドノイズが,英語学習者の リスニング理解に与える影響を検証した. 現実に近い自然なノイズとしては、リスニング音声の内容に合った音を ノイズとして付加した. 学習者は,ノイズなし, 自然なノイズ, バブルノイズの3種類のリスニング問題に解答し た後、リスニング理解の自信度とノイズに対する意識に関する質問に回答した. 結果, リスニング音声にノイズが 付加されることで、リスニング理解度と自信度は有意に下がった. ノイズの種類の違いを意識した学習者も見られ たが,ノイズの種類によるリスニング理解度の違いは見られなかった.

  • 荒井 隆行
    2022 年 2 巻 1 号 論文ID: SC-2022-4
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    Speech Chain は「ことばの鎖」とも呼ばれ、音声コミュニケーションの各過程とそのつながりを的確に表現している。 実際の音声コミュニケーションでは、様々な要因によってその「鎖」が切れかかったり、場合によっては完全に切れてしまったりする。 その1つの例として、非母語話者による音声コミュニケーションがある。 そこで、ある英語非母語話者に対して異なる音環境を再現し、その中で複数の発話スタイルで英語を発話してもら い、その音声信号を分析した。 その際、 異なる音環境として雑音 (バブルノイズ) の有無、複数の発話スタイルと して朗読、ある程度準備された内容の発話、 自然発話などを対象とした。 分析の結果、 雑音環境によって発話された音声の劣化が観測された。音声の劣化そのものは、聞き手の聴取を妨げる。 さらに、聴取の際にも雑音の重畳など音環境の劣化が重なると、聞き取りが加速度的に困難になる。 最終的に、 負の連鎖が Speech Chain の崩壊を招く可能性があることが裏付けられた。

  • ―短歌を題材に―
    髙橋 凱, 青木 瑞樹, 宮本 昌子
    2022 年 2 巻 1 号 論文ID: SC-2022-5
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    吃音児・者の発話流暢性を高める方法の一つとして,リズム効果法が挙げられる.本研究は四拍子で読まれることが知られている短歌を題材とし,リズミカルな音読が吃音症状に与える影響について検討することを目的とした.対象は3 名の吃音児である.なお,そのうち1 名は自閉スペクトラム症(ASD)と診断されている.リズミカルな音読とリズムを伴わない音読を交互に実施した.それぞれの読み方における吃音中核症状頻度を対象児ごとに比較した結果,2 名はリズミカルな音読で有意に吃音頻度が低かった.1 名はリズミカルな音読で吃音頻度が高い傾向がみられた.その要因について,ASD 児特有のリズム知覚を有しているという観点から考察した.

  • 永田 優志, 安 啓一, 平賀 瑠美
    2022 年 2 巻 1 号 論文ID: SC-2022-6
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    本研究では聴覚障害者に向けた歌唱時のピッチ可視化訓練システムの開発を目指し、より歌いやすい視覚情報の検証を行った。予備実験から、聴覚障害者の歌唱時の特徴としては歌い終わりにピッチが下がる傾向、同じ音高を保持することの困難さ、歌い出しのタイミングの把握の困難さ、等があることがわかり、これらを補助するための歌詞・ピッチ・楽譜を同時に表示する動画を作成した。評価には童謡の「かえるの合唱」の冒頭部分を使用し、音楽編集ソフト用いてピアノ音によって作成した。参加者の歌声は音声録音アプリを用いて録音し、練習前後の各音におけるピッチの平均値を分析した。訓練前後のピッチを比較すると参加者によっては歌唱前と比べて音源とのピッチの差が小さくなる傾向が見られた。実験後のアンケートからも、歌詞をピッチに合わせて表示すること、背景に楽譜を表示し、音名を表示することは聴覚障害者の歌唱訓練に有効であることが示唆された。一方で自分のピッチが把握できず練習が難しいとの回答もあり、ピッチのリアルタイムでのフィードバックの必要性が示唆された。

  • 竹内 京子 , 青木 直史, 荒井 隆行, 鈴木 恵子, 世木 秀明, 秦 若葉, 安 啓一
    2022 年 2 巻 1 号 論文ID: SC-2022-7
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2024/02/15
    研究報告書・技術報告書 認証あり

    言語聴覚士養成校の聴覚心理学の授業では, 聴覚心理学が必修科目である. 本発表では, 言語聴覚士の臨床に特化した内容の紹介, 授業の実践例, 問題点とその解決のための活動、今後の課題について概観する.

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