AUDIOLOGY JAPAN
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第54回日本聴覚医学会主題演題特集号
「両耳補聴」 「特発性両側性感音難聴」
両耳分離補聴による感音難聴者の明瞭度改善効果について
高卓 輝高木 良明伊藤 元邦野口 栄冶片山 崇
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2010 年 53 巻 2 号 p. 120-128

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抄録

感音性難聴で音声の明瞭度が低下する原因の一つに末梢聴覚における周波数・時間マスキングの影響の増大がある。これに対する補聴処理として, 入力音声を周波数軸上で左右耳に分割して提示する両耳分離補聴方式が期待される。本研究では先行母音による後続子音へのマスキングに対する本補聴方式の有効性を検証することを目的に, 先行母音のホルマント周波数を考慮した2帯域分割を適応し軽中等度の高音漸傾型感音難聴者27名に40種類のVCV音節を用いた明瞭度試験を実施した。分割周波数および高域/低域成分の提示側条件を変えた場合の明瞭度の変化を分析した結果, 以下のことが分かった。1) どの分割周波数条件においてもDichotic補聴効果が認められる。しかしながら, 各子音正答率の改善量は分割周波数による差が認められる。2) 異聴傾向として, 子音のみならず先行母音/u/, /i/, /e/も改善される。3) 高域提示耳は, 低域成分が提示される低域帯域の聴力レベルと高域成分が提示される高域帯域の聴力レベルを合計した聴力を, その相補的な帯域の聴力と比較し, より聴力の良い組み合わせを選択した場合に高い明瞭度改善効果が得られる。

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© 2010 日本聴覚医学会
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