応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌
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【総説:応用糖質科学シンポジウム】 シクロイソマルトテトラオース (CI4) の発見とCI4生成酵素及び生産菌に関する研究
藤田 章弘 川島 晶光川 侑輝太田 弘道北川 徳明鈴木 貴視野口 祐司廣瀬 修一渡邊 光森 哲也西本 友之阿賀 創牛尾 慎平山本 晃隆
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2022 年 12 巻 2 号 p. 92-98

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抄録

澱粉を原料として様々な環状糖が酵素的に調製されてきた.これらの環状糖は,安価な原料から調製可能な点が産業上の利点の一つである.一方で,デキストランにcycloisomaltooligosaccharide glucanotransferase (CITase) を作用させることで,重合度7から20のcycloisomaltooligosaccharides (CIs) を生成する研究も進められている.CIsは抗う蝕効果等の有用な特徴を有し,デキストランより安価な澱粉から調製できれば産業上有益である.近年,6-α-glucosyltransferaseとCITaseが澱粉の分解物であるデキストリンに逐次的に作用することでCIsが生成すると報告されており,α-1,6結合のみからなる環状糖を澱粉から調製できる可能性が出てきた.そこで我々は,新規CIs生成酵素を土壌由来微生物より探索した.その結果,Agreia sp. D1110株とMicrobacterium trichothecenolyticum D2006株の培養上清中の酵素が,重合度4の新規CIsであるcycloisomaltotetraose (CI4) を生成した.また,結晶化を検討し,CIsでは初の結晶であるCI4・5含水結晶を取得した.CI4生成酵素については,酵素学的諸性質,触媒する酵素反応,アミノ酸配列を明らかにした.また,CI4生成酵素とCITaseのアミノ酸配列の相同性を解析した.加えて,CI4生産菌の全ゲノム解析を実施し,CI4代謝に関与すると推定される遺伝子群が認められた.本稿では,一連の研究について紹介する.

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© 2022 一般社団法人 日本応用糖質科学会
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