2026 年 16 巻 1 号 p. 2-8
近年のゲノム解析研究の進展は,アミラーゼおよびα-グルコシダーゼと配列相同性を示す新規酵素が多数存在することを示した.本研究では,グルコアミラーゼが分類される主要な酵素ファミリーであるGH15,およびその関連酵素ファミリーであるGH63,α-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼが分類される主要な酵素ファミリーであるGH13およびGH31について,これらのファミリーに属する酵素の立体構造と諸性質を解析した.GH15については,澱粉よりマルトオリゴ糖に対する特異性が高い酵素が存在すること,および,グルコデキストラナーゼの立体構造を決定した.GH63については,本ファミリーで初めての立体構造として大腸菌YgjKを解析し,グライコシンターゼによる手法によりYgjKの基質を同定した.α-1,6-グルコシル転移活性を示す酵素として,GH31 α-グルコシダーゼAsojAgdLおよびGH13のサブファミリー47に属する酵素RmGH13_47Aについて,構造機能相関を解析した.本研究により,各酵素のユニークな性質は,これらの酵素に特徴的に見られる構造により発揮されることが明らかになった.