2017 年 7 巻 1 号 p. 16-22
澱粉から高付加価値糖質を生産することを目的に,土壌由来細菌から糖質関連酵素のスクリーニングを行った.その過程で2 つの難消化性糖質生成に関わる新規酵素系を見出した.1 つはBacillus circulans に属するAM7 株が産生する新規グルカノトランスフェラーゼ(イソサイクロマルトオリゴ糖グルカノトランスフェラーゼ) であり,α-1,6 結合で環状化した環状マルトペンタオース(イソサイクロマルトペンタオース) を生成した.もう1 つはPaenibacillus alginolyticusに属するPP710 株が産生するα-グルコシルトランスフェラーゼおよびα-アミラーゼであり,両酵素が協同的に反応することにより,3,6-ジ-α-グルコシルグルコース基(以降,便宜的にα-1,3,6 結合と表記する) を含むα-1,6,α-1,3 結合含量の高い多分岐α-グルカンの一種,イソマルトデキストリンを生成した.後者の酵素系を用いて澱粉から工業的にイソマルトデキストリンを製造する方法を確立し,新しい水溶性食物繊維素材として上市した.