2017 年 7 巻 2 号 p. 69-75
β-マンナンは主としてマンノシル基がβ-(1→4)-結合した主鎖を持つ多糖であり,植物細胞壁のヘミセルロースの構成多糖や貯蔵多糖として存在する.Ruminococcus albus やBacteroides fragilis などの細菌は,β-マンナン分解物のβ-(1→4)-マンノビオース(Manβ1-4Man) をセロビオース2-エピメラーゼ(CE) によりエピメリ化し,生じたManβ1-4Glc を4-O-β-D-マンノシル-D-グルコースホスホリラーゼ(MGP) により加リン酸分解することで代謝する(CE-MGP 経路). R. albus は,長鎖のβ-(1→4)-マンノオリゴ糖を好むβ-1,4-マンノオリゴ糖ホスホリラーゼ(MOP)も有する.CE はN-アセチルグルコサミン2-エピメラーゼやアルドースケトースイソメラーゼなどの単糖異性化酵素と構造的類似性を持ち,MGP やMOP は主としてマンノシドホスホリラーゼからなる糖質加水分解酵素ファミリー130 に分類される.本稿では,これら酵素の機能と構造について概説する.