2019 年 9 巻 2 号 p. 76-82
米澱粉の主成分であるアミロペクチンは,スターチシンターゼ・枝作り酵素・枝切り酵素を含む複数の澱粉生合成関連酵素アイソザイムが共働し合成される.これらの酵素が適切に制御されるからこそ,規則だった分岐構造を形成すると考えられている.野生型ジャポニカ米では,多数の澱粉生合成関連酵素が活性を維持したまま,複数の組み合わせの高分子量蛋白質-蛋白質複合体を形成することが明らかになっている.しかし,澱粉生合成関連酵素複合体の構成がアミロペクチン構造に与える影響や,複合体の構成成分が欠損した際の相補作用は不明である.野生型ジャポニカ米の登熟種子において酵素複合体を構成し,欠損するとアミロペクチン構造が大きく変化するイネ変異体の可溶性蛋白質を用いて,ゲル濾過法や免疫沈降法を行い,酵素複合体の構成成分の変化や相補を明らかにした.特定のスターチシンターゼや枝作り酵素が欠損または低下すると,他のアイソザイムの溶出分子量や溶出パターンが変化したことから,アイソザイム間で酵素複合体の形成を相補することが明らかになった.また,不活性型蛋白質の有無で,酵素複合体の構成が異なることも明らかになった.