2019 年 9 巻 2 号 p. 83-89
最近我々は,独自に開発した「水系における脱水反応」を用いて,無保護1,2-アンヒドロ糖の合成を初めて達成した.1,2-アンヒドロセロビオースをドナー基質とし,糖転移活性を示す加水分解酵素を探索した結果,GH12に属するAspergillus aculeatus F-50由来endo-β-1,4-glucanase I(FI-CMCase)に活性があることを見出した.また,GH5とGH12に属する複数のエンドグルカナーゼも,1,2-アンヒドロセロビオースを認識し,転移生成物を与えることが分かった.これらの実験結果と,既往の基質複合体結晶構造に関するデータを考慮し,アノマー保持型エンドβ-グルカナーゼについて,グリコシド結合開裂時に2位ヒドロキシ基の近接性補助により生じるエポキシド中間体を経由する機構を提唱する.