大阪物療大学紀要
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胃がんX線検診における硫酸バリウムの実効線量
―硫酸バリウムの量の厚さと濃度・基礎的評価 ―
米山  未華大西  航野中  太一山本 兼右
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2023 年 11 巻 p. 13-21

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抄録

本研究の目的は、造影剤の硫酸バリウムの量の厚さの変化と濃度の変化により入射表面線量と面積線量と実効線量の被ばく線量の変化を算出することである。方法は、アクリル製簡易ファントムを作成し、これを使用して硫酸バリウムの量の厚さと濃度をそれぞれ変化させ入射表面線量と面積線量を測定した。さらに、測定した結果をモンテカルロシミュレーション PCXMC ソフトを用いて実効線量を算出した。統計学的検定ではPASW Statistics Ver. 18.0Jを用いて硫酸バリウムの量の厚さと濃度の評価を入射表面線量と面積線量で回帰分析を5 %未満を有意水準として行った。結果、硫酸バリウムの量の厚さの変化については厚さが増加すると入射表面線量と面積線量と実効線量が高くなった。硫酸バリウムの濃度の変化については濃度が高くなると入射表面線量と面積線量と実効線量が高くなった。また、入射表面線量と面積線量の散布図の関係について、硫酸バリウムの量の厚さと、また、濃度の両方において強い相関関係を示した。硫酸バリウムの量の厚さと濃度の実効線量の関係について、硫酸バリウムの量の厚さの実効線量が、濃度の実効線量より比率が高くなった。

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