2019 年 7 巻 p. 27-29
造影CT(Computed Tomography)で使用される非イオン性ヨード造影剤は、造影剤の温度変化による影響を受ける。そこで今回、常温時と臨床現場で使用する加温された造影剤ではどの程度最大CT 値および到達時間の変化があるのか自作循環動態ファントムで検証を行い、臨床現場での患者への影響を検討した。成人男性の標準体型をモデルに2 つの異なる温度の造影剤を用いてそれぞれの時間エンハンスメント曲線(Time Enhancement Curve:TEC)を作成し、最大CT値到達時間およびCT 値の変化について検証を行った。その結果、常温時と保温時ではTEC に大きな変化は見られなかった。ただし、造影剤を加温することで副作用の発生頻度の減少や注入時の圧痛を和らげることができるため、臨床で造影剤を加温することは大切なことであると考えられる。