大阪物療大学紀要
Online ISSN : 2433-4758
Print ISSN : 2187-6517
7 巻
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 亀井 修
    2019 年 7 巻 p. 1-16
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/08/02
    研究報告書・技術報告書 フリー
    X 線CT のボウタイフィルタは線質および線量分布の均一化とともに、被ばく線量の低減化に寄与している。しかし、ボウタイフィルタの形状は公開されていないためCT装置の線量プロファイルの測定により推定する必要がある。この研究ではCT 装置の実機の線量プロファイルからCT 装置のボウタイフィルタの形状を推定し、その推定された形状のボウタイフィルタをPHITS コードにより体系に組込み、モンテカルロ法でシミュレーションした。その結果から、ボウタイフィルタの形状の再現とそのフィルタを組み込んだ仮想CT 装置でMIRD 型ファントムに照射することにより、ボウタイフィルタの線量低減効果を確認した。
  • 丹喜 信義, 五反田 龍宏, 渡部 晴之, 川路 康之, 朝田 良子, 今井 信也, 野口 敦司, 勝田 稔三
    2019 年 7 巻 p. 17-20
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/08/03
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本稿では、ICT を活用した実験科目への教育支援の事例を示すと共に、筆者らが開発した診療放射線科学分野における教育支援システム、特に実験科目の支援システムの概要について紹介する。
  • 山台 佳奈, 名渕 早希, 山口 功
    2019 年 7 巻 p. 21-25
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/03/03
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本邦の肺がんによる死亡数は男性、女性とも上位を占めている。その対策として低線量CT による肺がん検診は死亡率の低減に期待されている。本研究は被ばく線量を一定とした低線量肺がんCT 検診における管電圧が肺結節検出能へ与える影響を明らかにすることを目的とした。胸部ファントムを使用して、胸部ファントム肺野内の画像ノイズが多く発生する肺尖・肺底部および画像ノイズが少ない肺門部にそれぞれ10~12 mmφ の模擬結節を設置し、CTDIvol が2.3~2.4 mGy の基準線量と1.2~1.3 mGy の超低線量の条件下で管電圧80、100、120、135 kVp で撮影したCT 画像より模擬結節のコントラストノイズ比(contrast to noise ratio: CNR)を算出し比較した。 肺尖部・肺底部および肺門部の模擬結節より算出した管電圧80、100、120、135 kV における平均CNR は、基準線量、超低線量ともに120 kVp が最も高値を示したが、各管電圧間の平均CNR に統計学的有意差は認められなかった。撮影部位ごとの平均CNR は、肺尖・肺底部では100、120 kVp が高値を示した。また、肺門部では120 kVp が最も高値を示したが、肺尖・肺底部および肺門部ともに各管電圧間の平均CNR に統計学的有意差は認められなかった。被ばく線量を一定とした低線量肺がんCT 検診における管電圧が肺結節検出能に与える影響は少ないため、比較診断が必須な検診では120 kVp 一定で実施することが妥当である。
  • 亀井 壱星, 築田 凌, 西浦 素子
    2019 年 7 巻 p. 27-29
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/03/08
    研究報告書・技術報告書 フリー
    造影CT(Computed Tomography)で使用される非イオン性ヨード造影剤は、造影剤の温度変化による影響を受ける。そこで今回、常温時と臨床現場で使用する加温された造影剤ではどの程度最大CT 値および到達時間の変化があるのか自作循環動態ファントムで検証を行い、臨床現場での患者への影響を検討した。成人男性の標準体型をモデルに2 つの異なる温度の造影剤を用いてそれぞれの時間エンハンスメント曲線(Time Enhancement Curve:TEC)を作成し、最大CT値到達時間およびCT 値の変化について検証を行った。その結果、常温時と保温時ではTEC に大きな変化は見られなかった。ただし、造影剤を加温することで副作用の発生頻度の減少や注入時の圧痛を和らげることができるため、臨床で造影剤を加温することは大切なことであると考えられる。
  • MLO、CC撮影による線量分布
    渡辺 瑞萌, 漆山 遥香, 増井 佑也, 今井 信也
    2019 年 7 巻 p. 31-35
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/03/08
    研究報告書・技術報告書 フリー
    マンモグラフィでは低エネルギーX 線で乳房を中心とした狭い範囲に対し照射するため、水晶体などの被ばくを考慮する必要がないとされている。しかし、実際には少なからず散乱線が発生しており被検者への被ばくを明確にする必要があると考えられる。また、国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological Protection : ICRP)では計画被ばく状況における職業被ばくに対する眼の水晶体の等価線量限度を5 年間の平均で20 mSv/年、年間最大線量は50 mSv にすべきと勧告された。さらに公衆被ばくに対しては、組織における年等価線量は職業人線量限度の1/10 とされている。そのため水晶体に対する被ばく線量を明確にするために、マンモグラフィでの受診者の立ち位置及びその周辺の空間線量を測定し、受診者の各部位における被ばく線量を算出した。その結果、散乱X 線のピークは、頭尾方向(CC)撮影では乳房支持台の高さよりも10 cm 高い位置となり、内外斜位方向(MLO)撮影では乳房支持台の高さとなった。これはともに後方散乱が強く影響したと考える。また、CC 撮影およびMLO 撮影における水晶体付近の空間線量は、左右CC 撮影で72.8 μGy、 左右MLO 撮影で57.0 μGy であり、 1 回のマンモグラフィ検診による水晶体被ばくを想定した場合、線量は合計で0.13 mGy と推定される。水晶体の公衆被ばくの限度は5 mSv/年と想定されるので38.5 回のマンモグラフィ検診を受けないと公衆被ばくの線量限度を超えないため、水晶体については積極的な散乱線防護を行う必要が無いと結論付けた。
  • モンテカルロ法によるシミュレーション
    寺脇 大夢, 中川 紘, 亀井 修
    2019 年 7 巻 p. 37-42
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/03/22
    研究報告書・技術報告書 フリー
    一般撮影は通常、X線撮影室において、操作室側の扉を閉じた状態で撮影が行われる。しかし、緊急時における撮影の場合は、往々にして扉を開けた状態で患者の状態を確認しながら撮影することが多い。本研究ではこのような緊急撮影時において、扉を開けて撮影した場合、撮影室からの散乱線の軌跡を、モンテカルロコード(PHITSコード)を用い、仮想空間上にX線撮影室および撮影用寝台を構築し、シミュレーションを行い可視化した。また撮影室の扉の開閉の違いと、遮へい用物体の有無および設置方法の違いによる漏洩線量の変化についても視覚的に比較し、被ばく低減に効果的な設置方法を検証した。その結果、鉛カーテンの有効性を確認した。
  • Qiang LI, Fuduki SAIJYO
    2019 年 7 巻 p. 43-47
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/03/24
    研究報告書・技術報告書 フリー
    During the last decade, mobile devices have been adopted into the field of medical science. Specifically, the use of mobile devices has expanded into the field of medical radiation technology where they are being used as supplementary tools. The aim of thi s study was to review the literature between March 2014 and March 2017 related to the use of iPhone medicine and/or mobile medicine, particularly in the field of medical radiation technology. The databases of Medical Online and Ichushi Service were used to search the papers published in Japan and the PubMed database for those published in overseas. When using limited keywords, it was found that “Ichushi Service” resulted in more hits than “Medical Online,” indicating that “Ichushi Service” published more high-impact academic papers than “Medical Online ”. Among the total number of related papers in PubMed, we found 0.166% of papers using the keyword “radiation”. Then, at least 10 papers related to the field of medical radiation technology were extracted and a nalyzed using the bibliometric method. This literature survey clarified the way of thinking and various tasks in the field of medical radiation technology. We look forward to seeing how iPhone medicine and/or mobile medicine will play an important role for promoting the medical environment as an innovation.
feedback
Top