健康科学大学紀要
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看護基礎教育における解剖見学実習のあり方についての検討
解剖見学実習に関する文献から見る今日の動向から
三木 喜美子佐野 宏一朗乙黒 仁美高村 かおり竹村 眞理
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2019 年 15 巻 p. 79-83

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抄録
 本学部では,開設時の平成28年度から現在(平成30年度)に至るまでご遺体を用いた肉眼的解剖見学実習を行ってきた。主に,本学健康科学部の解剖学教員および山梨大学医学部解剖学教室の協力を得,肉眼的解剖学実習が行われてきた。看護学部の教員は,必要物品の準備と共に実施に向けてのオリエンテーションおよび倫理的側面の講義等を担当してきた。
 看護基礎教育における解剖学教育について2000年に看護学の視点で行う必要があると提言され,具体的には2017年頃からの文献で検討され始めている。筆者らは,本学部の今後の解剖学実習のありかたを検討するために文献検索を行った。発表された看護系大学で行われた解剖見学実習に関する文献を検討した結果,解剖見学実習の実施方法,事後の学生の学びについての集計が主になっていることが分かった。従来行われている解剖見学実習は,学生が人体の形態・機能を学ぶことに多大な効果を与え,また生命や,医療職者としての倫理教育の機会になっていることが明らかになった。
 看護学の視点での解剖学の教育について志向する一方で,筆者らは現在実施している解剖見学実習における学生の学びや学習意欲を充実させていく方向でも検討していく必要がある。
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