2018 年 17 巻 1 号 p. 10-17
薬用キノコ(ツクリタケ; Agaricus bisporus,シイタケ; Lentinula edodes,レイシ; Ganoderma lucidum,ソウオウ; Phellinus linteus)を高静水圧(150 MPaと250 MPa,45 ℃で20 min)条件下に酵素(セルロースA,ペクチナーゼG)処理を行い,その後,熱水処理(95 ℃,30 min)を行う高圧・酵素・熱水処理法を用いて多糖類を抽出した。この多糖類と従来から用いられている熱水処理抽出法や酵素処理抽出法で抽出した多糖類とを抽出収量,組成値,構造変化について比較することで,高圧・酵素・熱水処理法の有効性を確認した。特に,多糖類の収率が高くなり,β-グルカン,全糖およびタンパク質の抽出効率にも有効であった。