本研究では,異なる種類のかつお節の揮発性成分を調査し,削りたて香を含む官能特性との関連を明らかにすることを目的とした。亀節,本節3種,裸節の計5種のかつお節を収集し,その香り特性を評価した。
官能特性を整理するため,保管条件の異なる本節試料を用いて,削りたて香と燻煙香,肉質香,酸化臭の関連を調査した。湿度32%で保管した時,削りたて香評点が低下し,燻煙香および肉質香との高い相関が確認され,酸化臭とは負の相関を示した。一方,湿度83%では削りたて香と酸化臭の相関が小さくなり,保管湿度による官能特性の変化が明らかになった。
5種のかつお節の揮発性成分と官能特性を比較した結果,亀節はアルデヒド類やアルコール類が多く,酸化臭が強いことが示された。裸節は揮発性成分が有意に低く,肉質香評点は高いものの,削りたて香評点は4.21と最低であった。これはフェノール類に由来する燻煙香の弱さが主な原因と考えられる。
かつお節の種類によって揮発性成分は異なり,フェノール類が削りたて香の認知に寄与すると推察される。さらに,燻煙香や肉質香の減少,酸化臭の増加により変化すると考えられ,かつお節の種類や保管条件によっても官能特性が異なることが示唆された。
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