バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
Online ISSN : 1884-8699
ISSN-L : 1884-8672
第14回バイオフィリアリハビリテーション学会予稿集
会議情報

足関節を制限することによるバランスへの影響
*鈴木 輝美吉井 智晴崎原 美樹辻 暁彦中島 賢志篠原 千春滝口 裕輔
著者情報
キーワード: 足関節, バランス, 転倒
会議録・要旨集 フリー

p. 30

詳細
抄録
高齢化の進むわが国では高齢者の転倒予防、介護予防事業などが展開されている。転倒は下肢筋力低下が大きな誘因となることは明らかであり、予防の視点からも筋力トレーニングが行なわれている。一方、足関節の可動性については、明らかな損傷が無ければ、日常生活動作上での不自由は感じず、個別のトレーニングを取り入れることは少ない。そこで、足関節以外が正常であっても、足関節可動性だけの制限によって、バランスに及ぼす影響を検討することで、転倒防止トレーニングとしての重要性を検討する。対象は平均年齢21.5±4.5歳の健常者80名(男:48名、女:32名)に対し、足関節の可動性を制限するために、一側にプラスティック短下肢装具(以下装具)を装着させ、片脚立位、Functional Reach Test(以下FRT)、10m歩行速度を測定した。また、FRTの際には重心動揺計を用いて、前後方向への重心移動の変化も測定した。装具装着後には、前方への重心移動は21%、FRTは7%、10m歩行速度は14%、片側立位時間は56%の減少となり、装着前に比し有意に低値となった。また、装具装着側が非利き足の場合、装具装着後でFRTは有意に低値を示した。さらに、長座体前屈値より、同年代の平均値と比較して2群に分けて比較した場合、長座体前屈値が高値を示す群はそうでない群に比し、装具装着前後のいずれにおいても、優位にFRTは高値を示した。
著者関連情報
© 2010 バイオフィリア リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top