抄録
ADL(日常生活動作)の評価は、我々が行うチーム医療(リハビリテーション)では、共通の情報として不可欠なものである。同時に具体的な訓練の目標を提示するものでもあり、リハ終了時に、どれだけ自立した生活に到達できたかを判定するのが正にADLだと言える。これほど重要性が認識されていたにも関わらず、その目的によって基準の異なる様々なADL評価で同一人を評価している現状がある。いうまでもなく ADL評価基準はそれぞれの制度依存を認めており、また、1部は前時代的であることさえも容認している。来るべき超高齢化社会に向け、そして医療費の削減の目的で、H12年より介護保険が導入されたことで医療から介護(あるいは福祉)へとバトンタッチさせる仕組みが既にできあがった。 今、 必要なADL評価は何かを考えてみたい。