バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
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ISSN-L : 1884-8672
第18回バイオフィリアリハビリテーション学会
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基調講演
社会技術研究推進から見るバイオフィリア研究のこれまでとこれから
滝沢 茂男
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p. 6-

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抄録

筆者は2001年以来、頻回に社会技術研究課題へ応募してきた。維持可能な超高齢社会確立のためのリハ医療の再構築の必要性を多面から指摘し、この改革こそが社会を持続可能にする社会技術研究であると主張したのである。主要な申請の題名を列記すると、2001年:バイオフィリア リハ ネット構築と高齢者活躍社会の研究、2003年:超高齢社会が適応する新文明の構築に向けて、2007年:人口ピラミッド逆転社会における高齢障害者の自立生活可能社会確立の研究、等である。

「我々の研究は、3側面を持っています。1はリハ医学研究であり、2は産業面やリハ実施効率化の面からの機器開発研究です。3が社会科学研究です。3の研究の重要性は、1および2の研究結果が社会に好影響を与えるために、国民の意識改革が必要である事に起因しています。」は、2001年の社会技術研究推進事業応募理由冒頭である。「医療社会学ですすめてほしい」が審査者の意見であり、残念ながらその後のどの申請でも、社会変革に資するという研究の本質に理解を得ることは出来なかった。

活動を振り返ると、筆者の前職が市会議員であり、その視点で本研究の必要性を認識し、研究を推進してきた。

その成果は、研究中心の学会を組織し、科研費8件等を得て実施した研究の進展もあり、甘利明経済再生大臣から「本研究は国策に合致している」との大会祝辞を第10回国際大会と第17回国内学会で得た。また、国際学会は期待が大きく、本年はISPRM(www.isprm.org/)大会でポスターが請求され掲示された。さらに今回日本医師会から講師派遣許可を得て、葉梨前常任理事の講演が実現した。

こうした我々の研究を社会技術研究費申請から振り返るとともに、今後進めるべき研究を以下の順で示す。

1. 改善しようとする政策およびその課題は何か

2. 解決しようとする社会的課題は何か

3.「誰に」「何を」与えることを狙うのか

4.どのような方法で行うのか:リハ医療改革コンセプトの明確化

研究① 手法の有効性を既存のリハ医療実施群と自律的運動リハ導入群との間のランダム化比較試験(RCT)を行う。

研究② 我々は脳機能回復・改善の重要性・可能性に着目しており、マウスによる効果測定を行う。

研究③ fMRI・fNIRS研究と脳波計を用いた研究を行い、脳機能に与える効果を示す。

研究④ 障害克服状況の客観的評価システム研究を、既存研究と合せ、新たに分析用データを収集して、また医学・工学の知見を統合しデータを分析し、数値化する。それにより客観的評価システムを構築する。

研究⑤ 老老介護における腰痛予防等を含む在宅リハ実施可能なシステム開発・法整備提案を行う。

①-⑤には機器開発が付随する。

5. どのような体制で行うのか

 (皆様の変わらぬご協力をお願いします。)

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© 2014 バイオフィリア リハビリテーション学会
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