びわこ健康科学
Online ISSN : 2758-1799
Print ISSN : 2758-1780
総説
言語障害児・者のための新たな心理言語学的検査とその課題
種村 純宇野 彰玉岡 賀津雄近藤 公久渡辺 眞澄春原 則子三盃 亜美石井 由起日野 泰志中山 真里子時田 春樹
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2024 年 3 巻 p. 1-14

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抄録

われわれが心の内に蔵している言語知識と,その使用に関して脳損傷あるいは発達障害に伴う機能水準とその損傷メカニズムを検討することが言語の認知神経心理学的研究の目標であり,その目標に資する資料を得るために作成された検査が認知神経心理学的言語検査である.われわれは脳損傷者と発達障害児のリハビリテーション場面で使用することが可能な認知神経心理学的言語検査「言語障害の心理言語学的評価法」(仮称)を開発している.本検査の意義を明らかにするために,既存の認知神経心理学的失語症検査の内容と特徴について述べた.そしてわれわれが開発した検査について詳述し,その測定内容を検討した.その結果,聴覚的理解に関する検査では1モーラから単文まで,音韻の知覚から意味的理解,統語的理解の各段階と,それぞれの関連要因を評価できる構成となっていることを確認した.発話に関する非語,名詞,動詞,単文,談話の各段階の課題は音韻的,意味的要因の関与を分析することが可能である.読字は音読と読解,書字は書称と書取の各課題からなり,それぞれ意味・音韻と文字との関連を分析することが可能である.従来の失語症検査と同様の長さの検査項目数で,認知神経心理学的分析が可能な検査項目が作成された.さらに,本検査の結果に基づく言語訓練課題について触れ,また検査課題と訓練課題に関する検査作成者らの背景研究を紹介した.

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© © びわこリハビリテーション専門職大学
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