抄録
東日本大震災の震災遺構に来訪者を案内する語り部ガイドは、震災伝承や復興ツーリズムにとって重要な役割を果たしている。本稿では、宮城県石巻市の震災遺構で語り部ガイドを行う地域住民2 名を対象としてインタビューを行い、活動に至った経緯や活動の経過についてSteps for Coding and Theorization(SCAT)による分析を行った。分析の結果、2 名分のストーリーライン及び【語り部ガイド活動の成立及び活動】、【語り部ガイドが抱える課題】、【語り部ガイド活動の展開の可能性】に関する理論記述を得た。これらよりさらに追求すべき点や課題を7 点に分けて整理した。