桐生大学紀要
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Print ISSN : 2186-4748
児童虐待対応における家族支援に関する小学校養護教諭の役割認識
青栁 千春阿久澤 智恵子小此木 久美子鹿間 久美子佐光 恵子
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2014 年 25 巻 p. 15-22

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抄録

【目的】本研究の目的は,養護教諭の児童虐待対応における家族支援に対する役割認識と今後学校における児童虐 待対応の家族支援の在り方について検討することである. 【方法】A 県内の公立小学校に勤務する11名の養護教諭を対象に2011年6月~8月にインタビュー調査を行い,質的 帰納的分析を行った. 【結果】養護教諭の児童虐待対応における家族支援の役割認識は,【防止教育の充実を図る】【相談しやすい環境を 整える】【校内外で連携して継続的な支援をする】【早期発見と対応】【保護者の負担を軽減する】【保護者との信頼 関係を築く】の6つのカテゴリーで整理された.小学校に勤務する養護教諭は虐待の予防から早期発見と保護者の 負担が軽減するような子育て支援を含む継続的な対応という役割があると認識していることが明らかになった. 【結論】今後,養護教諭の児童虐待対応における家族支援を進めていくためには,養護教諭の学校等における適切 な児童虐待防止の取組をサポートしてもらえる地域や社会の支援体制の構築や研修体制の充実が喫緊の課題であ る.今回明らかになった結果を踏まえて,調査対象を拡大する等,さらなる研究の蓄積をする必要がある.

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© 2014 桐生大学・桐生大学短期大学部
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