抄録
【背景】住民組織メンバーを対象に地域の健康課題解決や改善を目指した研修プログラムを用いた介入研究は見当た
らない.
【目的】本研究は,保健師が研修プログラム試行の過程で捉えた組織育成や支援の成果び課題を明らかにし,研修プ
ログラムの効果を検証することを目的とした.
【方法】研究者が試作した住民組織育成の研修プログラムを,行政保健師(以下保健師)と協働しながら4自治会に対
して2年間実施した.研修プログラム構成は,1年目は自治会からの選出経緯,活動目的・目標,役割説明,年間活
動計画の立案,活動に伴う自身や地域の変化,年間の活動報告とし,2年目は活動目的・目標,役割の確認,先駆的
活動の実践者との交流等を加えた.研修プログラム試行後,保健師3名を対象に,組織育成・支援の成果や課題を問
う内容で半構造的グループインタビュー調査を実施し,質的帰納的に分析した.
【結果】保健師が捉えた組織育成・支援の成果は,【自治会役員の位置づけの明文化に伴う活動意欲の向上】【住民ニー
ズに即した実践型の研修プログラム】【関わり方の度合いと声を掛けるタイミングの見極め】【自主的な活動ができる
まで伴走する】【適度な活動負担による達成感】【住民の新たな力の発見】であった.課題は【各研修前の打合せの強化】
であった.
【結論】研修プログラムを試行し一定の効果が認められたが,課題に対しては更なる検討の必要がある.