抄録
コロナの自粛により,本学でもTeamsを利用した遠隔授業を導入した.本研究では,そのログをもとに利用の実
態を分析することで,その機能の有用性を明らかにし,コロナ終息後を見据えた大学教育におけるICTの利用につ
いて検討した.
まず,Teamsで取得できるアクティビティログを使用し,利用者のデバイスの使用状況を調べた.次に,
TeamsChatMessages,PrivateChatMessages,Calls,Meetingsのアクティビティについて,利用数,利用者数を前期の
期間で調べた.また,7日間ごとに集計し,zスコアを用いて,最小二乗法で近似直線を算出した.さらに曜日ごと
の違いをKruskal-WallisとBonferroniで調べた.その結果,学生の約半数が,iOSを利用して遠隔授業を受講しており,
Androidを合わせると約6割がモバイル端末を利用していた.アクティビティでは,全体的に期間の後半になると減
少する傾向がみられたが,その中でPrivateChatMessagesは他と異なる傾向を示していた.このことから,面接授業
が開始された後も,学生にとってPrivateChatMessagesの利用は有用であることが示された.