本研究は,IFIMの概念に基づいた魚類生息環境評価手法を我が国の河川に適用するための基本的な検討の第1歩として,乙川(愛知県),農具川(長野県),養老川,夷隅川および小櫃川(千葉県)において,魚類採捕調査と同時に水深,流速などの測定を行い,我が国の河川に生息する淡水魚に関する生息量と水理量の関係を表す選好曲線の作成を試みたものである。その結果,(1)アユとオイカワについては,選好曲線の普遍性が完全とは言い切れないまでも一応,確認された,(2)ウグイについては,選好曲線の季節が異なることによる顕著な変化が認められた。