近年,わが国における高強度コンクリートに関する研究開発は,主として構造物の長大化,高層化に伴う建設技術の開発と並行して行われてきたが,当初はプレストレストコンクリートの技術と共に発達してきたものである。また,ここ数年では,構造物に高い耐震安全性が要求されていることから,構造物の設計法や施工法の進歩,発展と共に,ますます高強度コンクリートの要求が高まってきている。実際の土木構造物において設計基準強度800kgf/平方センチの高強度コンクリートを用いたプレストレストコンクリートによってトラス構造の橋の建設や,ごく最近では,私有地内の支間40mの歩道橋に圧縮強度が1000kgf/平方センチのPC桁橋が建設された例もある。本実験では,混和材として超微粒子であるシリカフュームと,高性能減水剤を併せて用いることによって,水セメント比の減少,シリカフュームのマイクロフィラー効果による高密度充填性,活性ホゾラン反応による効果を期待して,これら混和材料の混入率等の配合要因・材令の強度に及ぼす影響について基礎的な実験を行い,検討を行ったのでその結果について報告する。
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