地質調査研究報告
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南アフリカの始生代ヨハネスプルグ・ドーム花崗岩体の花崗岩系列からの評価
石原 舜三C.R. アンホイザーL.J. ロプ
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2002 年 53 巻 1 号 p. 1-9

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抄録
ヨハネスプルグ・ドーム花崗岩体の酸化/還元状態を,文献による既発表資料の全岩Fe2O3/FeO比,およびウィトウオタースランド大学保管の新鮮な花崗岩標本と野外露頭における帯磁率の測定から評価 した.この花崗岩類は33.4-32.0億年の年代を持つトロニエム岩一トナル岩一花崗閃緑岩(TTG)および31.1億年の年代を持つカルクアルカリ岩(アルカリライム指数=62.5)から構成される.全岩のFe2O3/FeO比は両者とも0.5より低いものが多く,チタン鉄鉱系が卓越する傾向を示し,帯磁率測定の評価によると,前者は測定数122個のうちチタン鉄鉱系78%,磁鉄鉱系22%,後者は測定数239個のうちチタン鉄鉱系83%,磁鉄鉱系17%の値を示した.磁鉄鉱系の値を示す花崗岩類においても,その帯磁率は日本の典型的な磁鉄鉱系花崗岩と比較して1/3程度であり,中間系列に属すものである.以上からヨハネスプルグ・ドーム花崗岩類は本来的に還元型のマグマから構成されたと判断される.チタン鉄鉱系の産状から周縁部ではグリンストンの同化による還元も考えられる.少量の中間系は岩体中心部に分布する傾向があり,そのような局部的な磁鉄鉱の産出の原因については造岩苦鉄鉱物などについて,今後の詳細な研究が必要である.
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© 2002 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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