抄録
術後再発乳癌2例,進行期術後の乳癌,卵巣癌各1例の計4例においてhigh-dose CAF, またはVIC-E療法の後,G-CSFを投与して末梢血幹細胞を動員した。採取した細胞より,免疫磁気分離システム(Isolex 300)を用いてCD34陽性細胞のpositive selectionを行った。分離後のCD34陽性細胞の回収率は平均62.0%, 純度89.5%と比較的良好な成績であった。しかし,造血前駆細胞(CFC)の回収率でみると,平均10.9%と極めて低値であった。この原因として,リリース用ペプチドを用いる磁気ビーズの分離あるいは分離操作中の4回の遠心操作(800 G, 10分間)による細胞損傷などが示唆された。またCD34陰性分画中に,BFU-Eを中心に約30%のCFCが失われていた。近年,長期の造血を支持する未分化幹細胞がCD34抗原を発現していない可能性も指摘されており,本法による移植後の長期の造血維持について,今後慎重な経過観察が必要であると考えられた。