2002 年 53 巻 2-3 号 p. 175-182
インドネシア・フローレス島のイネリカ火山において2001年1月11-16日に95年間の静穏期を経てマグマ水蒸気噴火が起こった.この噴火とその結果生じたl噴火割れ目について記述した.イネリカ火山は北北西-南南東方向に16kmにわたって伸びるパジャワ噴石丘群の北部を構成している. 噴火開始以降,火山灰降下は6日間続き,水蒸気放出は2ヶ月間続いた.特筆すべき点は,この噴火の結果, N16°W 方向に伸びる幅約20m,長さ約300m の噴火割れ目が形成されたことである.これは地下浅部lこ薄い岩脈状マグマが侵入して生じた伸張性割れ目であると推定される.