地質調査研究報告
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論文
インドネシア・フローレス島・マタロコ地熱地帯における 調査井MT-1とMT-2の掘削および噴出試験
末吉 喜和松田 鉱ニ下池 忠彦小関 武宏高橋 洋ニ子石 正雄Kastiman SITORUSJanes SIMANJUNTAK
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2002 年 53 巻 2-3 号 p. 307-321

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抄録

地熱エネルギーが広く賦存すると考えられているフローレス鳥のマタロコ地熱地帯において,2本の調査井を掘削した. 坑井MT-1は,ワエ・ルジャ川北側において掘削深度1,000m で計画したが,深度207.26m 付近で蒸気層に遭遇し,蒸気が噴出した. ただちに坑口弁を閉じたが,同時に坑井周辺の地表部から蒸気が噴出し,坑井周りの地獄化が懸念されたため,MT-1坑口周辺のセメントグラウト作業を実施した.グラウ卜完了後,清水注入により噴出を停止させ,坑井をセメントで埋め戻した. 2本目の坑井MT-2 は,MT-1と同一基地から掘削深度230m で計画したが,深度162.35m 付近で蒸気層に遭遇した. 同深度で仮噴出試験を実施し,噴出に成功したため,掘り止めを決定した. MT-2 では,本格的な噴出試験をリップ・プレッシャ一法により実施し,抗口圧力・蒸気流量の測定,同時に化学同位体分析のために,噴出流体のサンプリングを行った. 噴出量測定から,本坑井の最大蒸気量は 4.57kg/sec. (16.5 ton/hr)であることが確認された.

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© 2002 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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