地質調査研究報告
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論文
マタロコ地熱地帯における地質,熱水変質分布と重力,比抵抗分布との相関について
田篭 功一齋藤 博樹小関 武宏高橋 洋Sjafra DWIPA二子石 正雄
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2002 年 53 巻 2-3 号 p. 365-374

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抄録

フローレス島中央部に位置するマタロコ地熱地帯他で,地熱構造を抽出する目的で地球科学的な調査を実施した. 地上調査から,マタロコ,ウォロボボ,ウォロレアおよびゴウの各地熱地帯で種々のタイプの熱水変質帯が認められ,また,これらの地熱地帯は重力あるいは地形上から推定されるカルデラ状構造(”パジャワカルデラ”と仮称〉内に位置していることが明らかになった. マタロコ地熱地帯は,パジャワカルデラの南東の縁部で北西-南東方向の延長1200 m の変質帯で特徴づけられ,これは,ほぼワエルジャ断層に沿って分布している. 地表には主としてカオリン,アルナイトの変質鉱物が認められる. また,この変質帯の分布に一致して,低北抵抗ゾーンが広い範囲で分布し,その広がりの特徴から地表下に高温部の存在が予想された. さらに,重力,比抵抗調査から推定された南北系の線構造とワエルジャ断層との交点部付近は,深部に優勢な地熱貯留層が賦存することが推定される.

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© 2002 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
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