地質調査総合センター(旧地質調査所を含む)による2000年から2010年の第2白嶺丸の航海に対して1分間隔の均質な重力異常データを整備した.1秒(以下s)間隔の生データにカットオフ周波数1/480 Hz(周期8 分)の8次Butterworthローパスフィルターを施すことにより高精度のフリーエア重力異常データを作成した.北海道沖オホーツク海で取得されたGH00・GH01航海,北海道南方で取得されたGH02・GH03・GH04・GH06航海,そして沖縄島周辺で取得されたGH08・GH09・GH10航海それぞれの重力異常データの互いに交差する測線間の二乗平均平方根交点誤差(RMS COD; root mean square crossover difference)は0.86 mGal,1.02 mGal,1.30 mGalである.航海データと衛星アルチメトリデータの差が3~ 5 mGalと大きくなっているのは,(1)水深が浅い海域の第2白嶺丸のフリーエア異常データに見られる短波長の異常が衛星アルチメトリでは見られないこと,(2)衛星アルチメトリデータは陸の近傍で精度が低下すること,これら2 つが要因とみられる.航海毎のフリーエア重力異常を計算した重力データファイルを地質調査総合センター研究資料集として公開予定である.