地質調査研究報告
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73 巻, 2 号
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論文
  • 石原 丈実, 小田 啓邦
    原稿種別: 論文
    2022 年73 巻2 号 p. 29-48
    発行日: 2022/08/29
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー

    地質調査総合センター(旧地質調査所を含む)による2000年から2010年の第2白嶺丸の航海に対して1分間隔の均質な重力異常データを整備した.1秒(以下s)間隔の生データにカットオフ周波数1/480 Hz(周期8 分)の8次Butterworthローパスフィルターを施すことにより高精度のフリーエア重力異常データを作成した.北海道沖オホーツク海で取得されたGH00・GH01航海,北海道南方で取得されたGH02・GH03・GH04・GH06航海,そして沖縄島周辺で取得されたGH08・GH09・GH10航海それぞれの重力異常データの互いに交差する測線間の二乗平均平方根交点誤差(RMS COD; root mean square crossover difference)は0.86 mGal,1.02 mGal,1.30 mGalである.航海データと衛星アルチメトリデータの差が3~ 5 mGalと大きくなっているのは,(1)水深が浅い海域の第2白嶺丸のフリーエア異常データに見られる短波長の異常が衛星アルチメトリでは見られないこと,(2)衛星アルチメトリデータは陸の近傍で精度が低下すること,これら2 つが要因とみられる.航海毎のフリーエア重力異常を計算した重力データファイルを地質調査総合センター研究資料集として公開予定である.

  • 金子 稔, 石川 博行, 原島 舞, 野村 正弘, 中澤 努
    原稿種別: 論文
    2022 年73 巻2 号 p. 49-65
    発行日: 2022/08/29
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー

    東京都世田谷区の武蔵野台地で掘削された上用賀GSSE-1及び駒沢GS-SE-3コアの更新統下総層群東京層の有孔虫・貝形虫化石分析を行った.38試料を処理し18試料から有孔虫化石が産出した.底生有孔虫は18 属40 種が認められた.浮遊性有孔虫は認められなかった.14試料から貝形虫化石が産出した.貝形虫化石は21属41種が認められた.産出した有孔虫と貝形虫化石群集に基づき,東京層下部をⅠ– Ⅵ帯に,東京層上部をⅦ・Ⅷ帯に区分した.その結果,東京層下部のI帯は湾奥部,Ⅱ– Ⅳ帯は湾央部,Ⅴ帯で湾域が縮小し湾央部から湾奥部,Ⅵ帯で湾口部の環境が推定された.東京層上部のⅦ・Ⅷ帯は,海進が進み開放的な湾の湾口部で海岸付近の環境が推定された.

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