放送研究と調査
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シリーズ 戦争とラジオ〈第4回〉 日本放送協会教養部・インテリたちの蹉跌
講演放送・学校放送は何を伝えたのか(前編)
大森 淳郎
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2019 年 69 巻 1 号 p. 18-35

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抄録
シリーズ第4回では、戦時ラジオ放送の3本柱の一つ教養番組(他は報道と慰安)、中でも講演放送と学校放送に焦点をあてる。戦時下の講演放送を牽引した多田不二によれば、講演放送の使命は「一億国民の精神的団結を計り、長期の総力戦を遂行させる」ことだった。また、学校放送の基礎を築いた西本三十二は「国民が一つの放送を聴いても相互に結びつけられ、それがまた同時に政府に結びつけられるという全体感を強く国民に感じせしめる」ことが大切だと説いていた。このような主張は今さら驚くべきことではない。戦時下の講演放送や学校放送が銃後の男たち女たちに、そして子供たちに戦争協力を訴えていたことはほとんど常識の部類である。むしろ意外なのは、多田にしろ西本にしろ、かつては反戦・非戦を主張する知識人だったことだ。多田は詩人として、植民地帝国としての日本を批判していた。アメリカで進歩主義教育を学んだ西本は、軍国主義を批判して国際平和の構築を訴えていた。彼らは、いつ、どのように変わっていったのだろう。そして国民に何を伝えようとしたのだろう。本稿では、遺された史料から時代の波に翻弄される組織人の苦悩を読み取り、同時に台本などの分析から戦時下の教養放送の実相を描く。
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© 2019 NHK放送文化研究所
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