高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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原著
“脱抑制型”摂食嚥下障害を呈した両側内包・基底核病変による偽性球麻痺
海老原 香磯野 理後藤 広亮池田 かや井村 美紀
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2021 年 41 巻 2 号 p. 210-218

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抄録

  食欲亢進, 自身の摂食嚥下能力に見合わない食物の早食い, 詰め込みといった窒息リスクの高い食行動異常を呈した両側内包・基底核の多発血管性病変による偽性球麻痺の 2 症例を報告した。両症例とも全般的認知機能は比較的保たれていたが, 脱抑制・衝動性・病識欠如などの前頭葉機能低下が顕著な点で共通していた。両者の摂食嚥下機能は, 嚥下障害は残存したものの三食経口摂取できる程度, また身体機能は能動的に食物を得て口に運ぶことが可能なまで回復していた。このような前頭葉の精神行動症状による食行動異常は, その摂食パターンから“脱抑制型”摂食嚥下障害とも呼ぶべきものであり, 嚥下障害に加えて, 大脳基底核の両側性小病変による皮質線条体回路の障害により, 脱抑制・病識欠如などの前頭葉症状に食欲亢進も加わり, 窒息リスクを高めたと考えられた。

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© 2021 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
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