放送研究と調査
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製作者研究NEO<地域にこだわる> 【第2回】佐々木 聰(山口放送)
人の「生きた証」をすくいとる
水島 宏明
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2019 年 69 巻 9 号 p. 36-59

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抄録
山口放送のディレクター、佐々木聰(ささきあきら・48歳)には「泣きの佐々木」の異名がある。佐々木の番組では、子育てに奮闘するシングルマザーであれ、山奥に暮らす孤老であれ、極限状況におかれながらも登場人物はよく泣き、よく笑い、その心の「強さ」や生き様の「うつくしさ」が映し出されるからだ。この人間の真に迫る制作姿勢によって、佐々木は民放の制作者にとって最高の栄誉とされる日本放送文化大賞グランプリを3度受賞した。かつて同じ系列のキー局・日本テレビに在籍した筆者の水島宏明は、そこに山口放送の先輩ディレクター、磯野恭子(1934-2017)の影響を感じる。二度と撮れない、たった一回のインタビューに賭けて相手に迫り、真実を引き出す緊張感に富んだ取材姿勢。その一方で取材地に近いローカル局の強みを生かして時間をかけた取材をし、番組に「深み」をもたらす。若き日に受けた35歳も年上の先輩の薫陶が、じわったと生きた制作者としての半生だったのではないか、という。山口刑務所の所内ラジオの音楽番組に寄せられるリクエストカード、そこに綴られる受刑者たちの心模様を描いたデビュー作『塀の中のリクエストカード』(2001年)、山奥で自給自足で暮らす老夫婦を長期取材した映画『ふたりの桃源郷』(2016年)、そして「加害」と「被害」が入り乱れた戦争体験の記憶をえぐり出した近作『記憶の澱』(2017年)まで。磯野恭子の「最後の弟子」といわれる佐々木聰の制作の道のりを、水島がたどる。
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© 2019 NHK放送文化研究所
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