放送研究と調査
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コロナ禍の不安やストレス,ネット社会の中高生
「中学生・高校生の生活と意識調査2022 」から①
中山 準之助
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2023 年 73 巻 5 号 p. 26-61

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抄録

令和の中学生と高校生の生活実態、意識や価値観を捉えるため、2022年夏、NHK放送文化研究所は、全国の中高生などとその親を対象にした世論調査、第6回「中学生・高校生の生活と意識調査」を実施した。前回10年前の調査のあと、SNSの浸透、新型コロナウイルス感染症など、中高生を取り巻く環境は大きく変化してきた。2回にわたり掲載する調査報告の初回となる本稿では、「コロナ禍のストレスと、ネット社会を生きる中高生の人間関係など」について報告する。 「コロナ禍の悩みやストレス」 ▶コロナ禍のストレスは「自由に遊べない」「外出できない」など。女子が男子を上回る。 ▶今の悩みは「成績、受験」が中高ともに6割。女子で「外見」が3割と、男子より多い。 「中高生のネットの利用」 ▶中高ともに「SNS利用」9割超。 ▶投稿することがある人のうち、投稿の反応が少なくても『不安にはならない』が7割超。「不特定多数の人」に向けて投稿するは4人に1人。SNSへの抵抗感は薄く、ネットリテラシーは向上も。 「SNSでの人間関係の変化」 ▶「SNSだけのつきあいで、会ったことがない友だち」がいる人は高校生で4割。 ▶「深刻な悩みごとを相談できる友だち」が「いない」は中高とも2割ほど。 「不安や将来への期待」 ▶「自分の将来」に「自分の将来」に『期待あり』は中高ともに6割超。一方で、『不安あり』は中学生で7割台、高校生で8割台。 ▶「18歳から大人」として扱われることに高校生では「早い」が5割超で多い。

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