放送研究と調査
Online ISSN : 2433-5622
Print ISSN : 0288-0008
ISSN-L : 0288-0008
こんどの旅行は“4ハク”か“4パク”か
2023年「日本語のゆれに関する調査」から(1)
塩田 雄大中島 沙織
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2024 年 74 巻 1 号 p. 36-61

詳細
抄録
▶語の複合によりハ行音がパ行音となる「半濁音化」をめぐって、「泊・発・班・分間」およびその他のハ行音漢語助数詞に関し、①「3」よりも「4」のほうが半濁音化しない回答が多い、②半濁音化しない回答は若年になるほど多いという傾向が、共通して観察された。この背景には言語変化としての「半濁音化から非半濁音化へ」という流れが想定され、この動きは東日本で先行して進みつつあるものと推定された。 ▶「あり得る」「起こり得る」に関し、「起こり得る」については、現代口語形[オコリエル]から、新しい文語形である[オコリウル]への回帰が進みつつあることが推定された。 ▶「サステ(イ)ナブル」の語形のゆれに関し、原語(英語)に比較的忠実な「サステイナブル」という形が今後主流になっていく可能性は、おそらく低いものと予想された。 ▶ニュースで、小学生の男の子を「〇〇くん」、女の子を「〇〇さん」と呼ぶことについてどう思うか尋ねたところ、全体では「「さん」に統一しなくてよい」と答えた人が多かったが、30代女性では「「さん」に統一するのがよい」と答えた人が半数を超え、男女差、世代差があることがわかった。 また、事件報道において、小学生の男の子につける敬称としては、「くん」を支持する人が最も多かった。一方で、「さん」を支持する人は前回(2015年)の調査より増加し、特に中年層でほかの年齢層より「さん」を支持する人の割合が高かった。 ▶「前倒し」という名詞が動詞化したと考えられる「前倒す」は、比較的若い世代を中心に浸透しつつある。
著者関連情報
© 2024 NHK放送文化研究所
前の記事 次の記事
feedback
Top