放送研究と調査
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ファクトチェック マスメディアの現状と課題
2023年3月新聞社・放送局アンケート
斉藤 孝信, 渡辺 健策
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2024 年 74 巻 9 号 p. 70-80

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抄録
NHK放送文化研究所では、マスメディアによるファクトチェックの実施状況を把握するために、2023年3月、日本新聞協会加盟の新聞社と、東京・大阪・名古屋のテレビ局を対象にアンケートを実施した。回答のあった22社のうち、日常的にファクトチェックをおこなっていると答えたのは8社であった。
実施・未実施にかかわらず、各社は、フェイクニュースのまん延に危機感を抱き、報道機関として向き合うべきだと考えている。一方、多くの社で、ファクトチェックに関する知識や要員の確保が追いついていない。また、ファクトチェック結果を読者や視聴者に届けるためには、マスメディア自身への信頼を高めることが必要だと考える社も多かった。
複数の社には追加で取材をし、取り組みの実態を詳しく聞いた。沖縄タイムズは、2018年の沖縄知事選でSNSにデマが出回ったのを機に取り組み始めた。ファクトチェックと、デマに対する打ち消し報道は、ホームページでも反響が大きいという。課題は、通常の記事より手間がかかり、人手不足の解消とどう両立するかだ。
北海道新聞は、日常の記事を書く際に情報の真偽を確認する過程にファクトチェックの手法を取り入れ、政策に関する政治家の発言や政府の説明が本当に正しいのか検証している。権力の監視という報道機関の役割を果たす上で重要という認識のもと、防衛費のGDP比の数値が他国に比べ算定方法が異なり、実は1%を超えていることを明らかにした。また、LGBT法案が国会で審議中に出回った「女性のふりをした男が女子トイレでいたずらをする」というデマを否定するなど、扱うテーマは人権問題にも及んでいる。
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