放送研究と調査
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調査報告 ジャーナリストたちの現場からVol.5 アーカイブが地域と放送をつなぐ
NHK金沢・沖野仁と「懐かしの映像」
大髙 崇
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2025 年 75 巻 3 号 p. 98-107

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抄録
NHK放送文化研究所のホームページで連載する「調査報告 ジャーナリストたちの現場から」。メディア環境が激変する今,ジャーナリストやメディア組織は,何を変え,何を守るべきか。NHKに限らず,国内のマスメディアが発信するニュースや番組の取材・制作現場に目を向け,ジャーナリズムの現在形と将来を模索する姿をシリーズで伝えている。本稿は,その第9回に一部加筆・修正を加えた再録である。
今回は,地域の放送局が保管するアーカイブ映像の再活用について,NHK金沢放送局の映像編集者・沖野仁の取り組みに注目する。彼は,古いフィルムなどをデジタル化し,地域の歴史を伝える番組企画を制作している。そして,映像の内容を把握するため関係者に取材して記録しデータベース化するなど,あとあとも再利用しやすいよう整備を進める。その過程で,放送アーカイブがより直接的に地域に貢献できる可能性を見いだしている。2024年1月1日に発生した能登半島地震や同年9月の豪雨災害により大きな被害を受けた奥能登などは,往時のまちの様子を記録した放送アーカイブの貴重性が増している。沖野の取り組みから見えるのは,放送界が自ら所有するアーカイブの価値をいっそう認識し,地域での利活用を促す必要性,そのためにも,放送局内の「アーカイブ人材」の育成に注力する必要性である。
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© 2025 NHK放送文化研究所
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