2006 年 55 巻 11 号 p. 847-854
現在,ウシ体外培養胚の品質判定は主に形態観察に依存しているため,信頼性に欠ける.そこで,代謝活性に基づく信頼性の高いウシ体外培養胚を選択できる装置が要望されている.著者らは体外培養胚の呼吸量を無侵襲かつ半自動で測定し解析できる呼吸量測定装置を開発した.この呼吸量測定装置は,逆円錐形ウェルを6個有する測定セル,温度制御装置,オートアプローチ機能,体外培養胚の呼吸量算出法に基づく解析プログラムが組み込まれており,逆円錐形ウェルに形成された酸素濃度勾配からウシ体外培養胚の呼吸量を半自動的に算出可能であることを検証した.更に,受精後6日目の桑実胚の形態観察結果と呼吸量を比較し,品質評価への応用可能性について考察した.