分析化学
Print ISSN : 0525-1931
解離平衡系におけるコンプリメンタリートリスティミュラス法の応用
廣瀬 信吾池内 勲榊原 公枝
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1972 年 21 巻 2 号 p. 183-189

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抄録

化学反応が解離平衡にあるときは数種の化学種が共存し,かつ,それらが互いに従属した関係にある.したがって,これらの測定に単一波長の吸光度測定による方法ではふじゅうぶんな点が多い.本報では化学種の特長をよく表わすコンプリメンタリートリスティミュラス法(CTS法)を平衡の検討に適するように考案した.
CTS法のグラフを用いて主として存在する化学種の数を決め,そのうち2種の化学種が共存する場合のモル分率を測定したり,平衡にあって純粋に取り出しえない化学種の特性をCTS法の数式を利用して求め,その値を利用して定量する方法を検討した.またこの方法をメチルレッドの解離定数の測定や,一定pH溶液中に共存するメチルオレンジおよびメチルレッドのモル分率の測定に応用してその有用性を示した.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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