1972 年 21 巻 2 号 p. 225-231
著者らは13C-NMRの有効な利用法の研究の一環として,化学シフトの図表化を企画し,すでにマスターチャートおよびカルボニル炭素のサブチャート化について報告したが,ここではアルカン,アルケン,アルキン炭素のサブチャート化について述べる.
主題の炭素の化学シフトは隣接基による影響が大きく,その図表化は官能基がついた炭素によって分類すれば有用であろうと考えて,X-13C-Yにおける13Cをsp3ではメチル,メチレン,その他の3枚に,sp2系,sp系で各1枚ずつに分け,それぞれ13CのX,Yを適宜に分類して図表を作成した.
その結果,アルカン,アルケン,アルキン炭素の化学シフトの特徴が明らかになり,また未知化合物の13C-NMRスペクトルの解析に有用であることが解析例によって示された.